デジタル校正の覚え書き【旧版】

この文書は、1998〜1999年ごろに作成したものです。以来ほとんど加筆訂正をしていないため、内容が現状にそぐわなくなっている箇所もあります。何卒ご容赦くださいますようお願い申しあげます。



1. はじめに

紙の上での校正にはそれなりに長い歴史があって、校正記号はしっかりJISで定められていますし、さまざまなノウハウが蓄積されてもいます。しかし、デジタルな校正のやり方はいまだ確立されていません。もちろん、テキストデータを紙にプリントアウトしてそれに赤字を入れるという方法もありますし、そうなさっておられる方のほうが多いのではないかと思います。でも、個人的にはできるだけプリントアウトはしたくないんですよね。紙がもったいないってこともありますが、とにもかくにもうっとうしい。一応プリンタは持ってますが、めったに使いません。そうでなくとも部屋を見渡せばチラシやらコピーやら切り抜きやらの紙が溢れているので、これ以上紙の束を増やしたくないんです。

そんなわけで、デジタル化されたテキストはディスプレイ上で校正するようにしています。いろいろなやり方があろうかと思いますので、「ふーんそんなふうにやってるんだ」程度に読み流していただければ幸いです。もちろん熟読してくだすってもぜーんぜん構いません。

デジタルな校正なんていうとなんかちょっと偉そうですが、基本的な作業の流れや心構え、留意点などはふつうに紙の上でやるアナログな校正とほとんど変わりありません。まあ、使う道具が違うとか、デジタルならではの問題もあるとか、相違点といえばその程度のものだと思います。

アナログ、デジタルの別にかかわらず、校正にもいろいろな要素がありますが、大雑把に分けると、いわゆる誤植をしらみつぶしに探して訂正するというのがひとつ、内容を吟味して不適切な言葉遣いを直したり事実関係の誤りを正したりするというのがもうひとつ、ということになろうかと思います。私がやっているデジタル校正には、後者の要素はまったくありません。とにもかくにも誤入力を発見し、それを正すこと。それが唯一かつ絶対の使命です(おおげさだなあ)。よって、そういう前提で書いていきますので、お読みになる方もそこのところをちょいと頭の中に入れておいてください。




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