居候部屋の本棚
あるいは,積ん読本リスト

書生 チャン・マリー

何かを知りたいと思う.何かがわかりたいと思う.でも,なかなかたどり着けない.なぜならその「何か」が何かさえ,わからないから.

時にはその「何か」をつかみかけたりする.でもしばらく歩いたら,それが雲散霧消している.自分が今つかみかけた「何か」とは何だったのか,思い出せない.その断片に似たものが,紛い物のように転がっているだけだ.これだったっけかな? いや,こんなんじゃなかったような….もっと違った何かだったはずのように思う.逃げて行ってしまった「何か」を,どこまで追いかけるのが妥当なのか.

こうやってここに羅列した書物を見るにつけ,「何か」に近づこうとしてやはり「何か」から遠ざかっているような気がする.「何か」を必死に避けているような気もする.何かを追いかけているのは自分なのか,それとも何かに追われているのが自分なのか.書物と自己との境界.世界と自己との境界.それが判然としない.溶け出していく自分をかき集めること,それを本頁のとりあえずの存在理由としておこう.

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書を捨てよ町へ...?