旅のあと



帰途発病した興奮熱はあっけなく、1日寝ただけでおさまった。ただしその後、税関チェックをごまかして持ち帰ったヤシの実を飲み、ゲイリー。(我が居候ページを管理する庵主氏にお持ちするも、彼奴はなぜか平気だった。)

いま帰国から10日たち、すでに香港は小生のいる場所から遠くに行ってしまった。けれど、街の感覚をかすかでも思い起こさせる鍵があるとすれば、それは五官に刻まれた湿度だ。海では湿気をたっぷり含んだ潮風。山では立ちこめる濃霧。そして街では建物の水浸しの床。亜熱帯の高湿度が小生の顔に髪の毛をべったりと張り付ける、あの不快な感覚が、今となっては香港を一番リアルに思い出させる鍵となってしまったようだ。

マカオのポート・ワインも不気味なトカゲ酒も、まだまだお披露目はこれからだ。それを開封するとき、また小生は新しい香港を感じることができるだろう。


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